デッサン力の大切さ

美術ではどのような分野を目指す人も、デッサンの実技勉強がまず必要です。それは「デッサン力」と言っても良いと思います。ではなぜ、デッサンが必要なのでしょうか。自分の思いを作品にするためには、ものを観察する眼と表現できる技術が必要です。これらは観察力と描写力として、美術のすべての基礎と言えます。いくら素晴らしいアイデアやイメージがあっても、それを思ったように表現できなければなりません。

 

 デッサンの実技を勉強していく中で、今まで何となく見ていたものも対象(モチーフ)を、観察する眼によって見えていなかった内容に触れ、その美しさや本質を受け止めることができるのです。そしてデッサンの実技の中で、形の見方をはじめ構図や明暗の調子、材質感、空間…といった制作をしていく上での大切な要素を勉強していくことになります。

 

 例えれば、デッサンは大きな木の幹と根です。その大樹の枝が、イメージ表現や立体制作といった他の実技であり、ひいてはそれぞれの専攻実技となります。デッサン力のあるなしによって、自らが目指す専攻領域の内容も大きく変わってしまいます。

 これからの寒い冬に頑張って実技の勉強に集中したことは、大きな実力の礎となって、自信とこれからの実技への取り組みに大きく反映することと思います。さぁ、始めましょう!